職員室にいる
元々はゴリゴリの旅人でした。旅人といっても解釈は色々あると思います。
かっこよく言えば世界を自由に旅する人。かっこ悪く言えば大人になっても仕事しないで遊んでいる人。
そんな僕が気がつけば北海道の幌加内(ホロカナイ)高校に職員として派遣され職員室で勤務しています。

所属は教育委員会。そこから幌加内高校に出向というちょっと変則なパターンでの勤務になりますが。
それでも僕にとって旅と移住を繰り返すいわゆる自由気ままな生活から一変して人口1500人の町、幌加内の学校で9時〜5時の生活をしているわけです。
あまりにもフリーでやっていた為に、最初は決まった時間の仕事に対応できるか正直心配なところもありましたが、意外にもそこらへんでの苦労は感じてません。
制限と自由
学校で勤務する前は日本に帰国して1年ほど個人事業主として開業し、バドミントンコーチ、天然石商、ブロガー、webライターを並行して行なっていました。
基本的に仕事の時間や調節は自分で行うので、今の学校の仕事のように時間に縛られることはありません。
ただフリーランスで仕事を行う場合、僕にとっては一つの問題がありました。
時間の管理が曖昧
自由であるが故に、時間管理が上手ではありませんでした。
サボっていようが、遊んでいようが特に問題がなかったからです。それで回っていた、と言えば回ってはいたのですが、どこか何とも言えないものがあったのも事実です。
しかし学校に勤務し勤めてみると意外にも制限の中で自由を与えられている方が、個人的には性に合っていました。
自由にやりたくて自由にやるよりも制限がある中で自由にできる方が楽しいという矛盾。
このことに関しては自分でも新しい気づきでしたし、改めて自由とは何なのかと問ういいきっかけにもなりました。
制限があるからこその自由
例えば旅をしていた時によく言われたこと。
「自由に旅をして羨ましいよね」
長い時で1年半、トータルすると7〜8年を旅人という名の遊び人をやっていたのかもしれません。
ただそこには僕も一般人なので“お金”という制限がかかります。
自分が持っている所持金の中での旅なのでそこには楽しさがあるのです。
逆に無制限使い放題のお金と時間がある旅は、間違いなく飽きます。これは長年世界を旅していた者として断言できることの一つです。
今の状況も全く同じことで、学校での拘束時間や、やるべきミッションなどの制限があることで自由を感じます。
自由にやらせてもらっているということも一つですが「君はこの制限の中で自由にやってね」と縛りを与えられてことによって自分の中の自由が分かった感じがあります。
自由の中に自由はなく、制限があるからこそ自由がある、と。
光の中に光はありませんよね?闇があるから光があるのと同じような感覚です。
色々経て学校に入るということ
多くの一般的な先生方は大学を卒業して教員という世界へ入ってくるのが一般的な形だと思います。
もしくはある程度の社会人経験を積んでから転職するパターンもあるでしょうか。
僕のように旅をメインとして生活をしていたものが学校という空間に入ることは、それはそれでこちらが学ぶことも多いのが実際のところです。
また学校の特色もあるかもしれません。
僕が勤務する幌加内高校は全日制の定時制高校。定時制といっても夜間ではなく一般の高校と同じ昼間の授業です。
生徒のバックグラウンドは様々で中学生の頃に不登校だった、家庭に色々な事情があった、支援が必要など、今まで僕自身が知らない世界を経験している子供達が多いからです。
与えるもの与えられるもの
多くの人は僕が生徒に様々な経験やその他のものを与えている印象かもしれませんが、僕にとっては全くの逆です。
平凡な言い方をすると「子供から学ぶものは多い」とは、こういうことなのかなと感じることが多々あります。
また学校の先生方という世界に入って一緒に仕事をさせてもらう中で、僕にとって得れる価値観や学ばせてもらうことも多く、新しい世界観を共有させてもらっています。
一般的にはどこか閉ざされた空間のような職員室であって、教員や学校関係者以外はあまりどのような雰囲気なのか把握できない空間かもしれません。
そこそこの学校の職員室やそこの校長先生や教頭先生のさじ加減一つで職員室の雰囲気は決まるのかもしれませんが、控えめに言っても先生一人一人が仕事を楽しんでいるので、こちらとしても嘘のない発信ができます。
地方の学校実態
地方に限らず少子化が進む今の時代はどこの高校であっても、生徒を集めるのに苦慮しているのが現状です。
ちょっとした大きな都市でさえ廃校になっている学校はいくつもあります。
僕が務める幌加内高校も例外ではなく人口1500人の町で町立の学校を維持していくのには生徒の募集が不可欠です。
僕自身がこの学校に採用された一番のメインは「地域みらい留学365」という内閣府が発足した言わば山村留学生を募集しそれを軸に地域創生をしていくというもの。

しかしそれと同時に僕自身も学校の生徒を募集してく業務を行っていかなければいけません。
地方にとってはかなりの死活問題でもあり、何かしら対策を取る必要性があるからです。
そんな逆行の中でも地方なのにどんどん生徒が集まってきている学校があるのも事実としてあるのはあるんです。
まとめ
まだ一ヶ月。もう一ヶ月。
どちらとも取れる一ヶ月なのですが、周辺からは「幌加内高校じわってるよね」そんな声がちらほら届くようにもなってきました。
今の所、自分自身の周辺なのかもしれませんんが、そのじわった波紋を少しずつ広げていくことが僕自身の役割です。
一気にドカンと知名度を上げていくことは簡単ではありませんが、じわじわと時間をかけて知名度を作り上げていくことは可能です。
卒業した人も今の在校生も含め「え?あの幌加内高校?」と、どこかでそんな声をかけられるような学校になるよう発信していきます。
幌加内に移住して面白いことやってくれる人も個人的に募集してます。
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