値段のない石屋
ご存知の通り、僕がやっている「名もなき石屋」には全ての石に値段がついていません。
価格は「お客様がつける」というスタイルで商売を行い、誰がいくら払ったのか分からないようなシステムにしています。
このようなやり方で行う理由はいくつかあるのですが、一つには購入者に「変わりゆくお金の価値」を伝えることと、自らがお金の価値が変わる時代にアクション(行動)を起こしていくことが目的でもあります。
よく「そんなやり方で儲かるのか?」とか「怪しい」という声も聞こえますが、そもそもお金に対する価値観が大多数と僕とでは多少異なるのでそこのズレがあるのです。
商売=儲けという思い込み
多くの人が商売=儲からなければいけないという思い込みをしていますが、現段階で「名もなき石屋」はそこを重要視していません。
「それじゃあお店は成り立たない」という声も聞こえてきそうですが、僕にとって人生の大部分をお金が占めている訳ではないのです。
それよりもお金を使って楽しむことだったり、お金を通して何かを伝えることだったりと、そちらの方が重要で、儲けた時に一喜一憂したり、儲からなかった時に落ち込んだりとなるのが本来の人間らしい生活だとは感じていないのです。
僕にとってお金は楽しむための一つのアイテムであって、人生の大半をお金が占めたり、お金で気分がアップダウンするものであってはつまらないのです。
変わるお金の価値と価格
仮想通貨のことなども書いていきたいのですが、まずはこちらから。
先日、サッカーのJリーグで“価格変動制”のチケット制度が導入されました。ダイナミックプライシングと呼ばれるものでその日の対戦相手や天候によって価格が変動するというシステムです。
これらは欧米では2009年あたりから導入され、これらの価格は全てAI(人工知能)が過去のデーターを元に弾き出す価格を反映します。
前回の試合でS席が4500円で50シートあったのが、今回は5000円で40シート。その代わり自由席の価格が前回1500円で100席だったのが2200円で110シートというような感じです。
変わる日本の価格
気が付いている人もそうでない人も。
日本に限らず世界全体を見回しても様々なお金に対する変化は生まれてきています。
このように、価格が変動するシステムであったり、無料化されているものが多くなってきたりと。
その事実に気が付いておらず、今この記事を読んで気が付いたという人は多少の危機感が必要かもしれません。
今の時代はお金の価値や、商品価値、様々なものが今までの常識から少しずつシフトしています。
そのことを遠くから眺めている大多数か、自らアクションを起こしてみたり、学んだりするかはあなた次第です。
結局は習慣
お金を普段使用していることも、価格が固定で決まっていたことも結局それらは全て習慣として僕たちが使用しているだけのことなんです。
それが合理的かどうかということではなくてそれらを習慣として続けているだけ。
なので多くの人は習慣=世間の常識という捉え方をしているのです。
そしてその習慣から離れたこと(例えば値段のついていない当店など)を現実として目の当たりとすると「怪しい」と捉える思考が芽生えるのです。
外国から見るお金の価値とは?
さてここでは欧米諸国をはじめとする先進国を除いたお金の価値を書いていきましょう。
中国との国境付近に位置するベトナムのとある町。ここでは多くの人がベトナム通貨のベトナムドンを嫌います。
「中国元は持っていないのか?」「アメリカドルは?」などと言われることが多々あります。
なぜベトナム国内なのにベトナム通貨を要求しないのでしょうか?この感覚は日本人の多くには分からない感覚でしょう。
自国通貨の価値
簡単に言うとベトナムのこの町の人たちは自国通貨よりも中国元の方が信用度として高いのです。中国国境付近で商売としての取引が盛んということもあるでしょうが、自分たちの国の通貨に信用を置いていないのです。
これらは後進国にありがちなことですが、先進国に住む私たちにとっては到底ない概念です。
これを読んで分かるようにお金は信用の可視化をしたものだけなんです。
ここに住む人たちは自国よりも、他国の方が信用度として高いのです。そして、彼らは通貨を選択して使用しているということなんです。
このように通貨を選択して使用する国や地域は僕たちが知らないだけで数多く存在するということを是非とも知ってください。
日本で行われている全ての習慣が世界の一般的なことではないということを理解しましょう。
通貨は選ぶ時代へ
仮想通貨を少しでも保持している人ならお分かりになるかもしれませんが、これからの時代は通貨を選ぶ時代がくることでしょう。
ビットコイン、リップル、モナコイン、ネム、ここには書ききれないほど今の世の中では多くの仮想通貨が生まれています。
そしてその中から私たちは自分の生活スタイルにあった仮想通貨を選択し、使用していくことになるでしょう。
そしてそれらを選択した通貨の生活圏内で生活をしていくことになるのです。
お金が生まれた時
かつて人間はお金を使用せず物々交換で生活をしてきました。しかし、ある時代からお金というシステムが始まったのです。始まりはたしか石だったのではないでしょうか。
最初石を使って取引を行った時、当時の人間は違和感や戸惑いしかなかったかもしれません。
今世の中で起こっている現象はそれらと同じことで、新しい通貨が世の中に生まれ通貨として認知されています。
自分たちがそのような時代の変わり目で生活しているということの理解が必要です。
これからの人間は何に信用価値を置くか
日本人は日本円を信用しています。そして海外からも米ドルやユーロと同じような信用を得られています。
しかし世界の国の多くは自国の政治や貨幣価値を信用していない国の方が圧倒的に多いのが現状です。
このように先進国である程度の安定感のある国というのは本当に稀なことなのです。
中国で仮想通貨やスマホ決済が流行る理由
中国では段々と紙幣を使ったお金を使用する人や場所が少なくなってきています。
理由としては中国国内に偽札が多いことが理由の一つです。
皮肉?なことに偽札の横行で、スマホ決済や仮想通貨での取引は先進国の一つと言っても過言ではないでしょう。
逆に先進国の日本でこれらが普及しないことの一つに、日本人の日本円に対する信用度が高すぎるのが壁となっているのではないでしょうか。
僕自身、海外へ行くことも多いので支払いをカードで済ますことは国内でも普通のこととして多いのですが、日本で生活をしているとカードで支払いをしているのをコンビニなどで見かけることはあまりありません。
さて、この現象がこれからの日本にどのような影響を与えていくのか?気がつけば、日本の携帯電話のようにガラパゴス化していく可能性は十分あると思います。
日本円を良かれと思って使用しているのは日本人だけというような。
お金を知らない世代が増える理由
この記事を書いている僕自身は現在36歳。
しかし今現在、子供と言われている世代の多くは親のスマホでゲームをして中には課金をしている人も多くいるでしょう。
またアマゾンのサイトからクリックするだけで商品が届くということに慣れている子供も多くいるでしょう。
彼らはお金を見ることなく、課金や商品を購入するということに何の違和感もなく生活をしています。
では彼らと僕ら世代がお金に関する価値感覚は同じかというと、実際かなりのズレがあると思います。
そしてこれからはこのような世代の子供が中心となって経済システムを構築していくのです。
お金は紙幣ではなく数字
彼らの感覚からすると“お金”ではなくスマホ上に記載される“数字”でしかないのです。
“お金”という実物を見ることなく“数字”の上で経済が回っているにしか過ぎないのが現状です。
そして彼らはそこに“信用”を我々よりもはるかに重きを置くこととなるでしょう。
そうなれば世間の信用度はデジタル上に記載される数字となってくるのです。
まとめ
僕自身、仮想通貨で財を増やした億り人でも経済学者でもありません。
しかし世の中のお金の価値やお金の信用度が明らかに変化していることは誰しもが実感しているはずです。
その変化を外側から傍観する側を選ぶのか、それとも一緒に時代と共に変化を楽しむのか、ここについても二極化が進んでいると実感しています。
現に近い人たちでも仮想通貨を発行しようと行動していたりするグループも目の当たりにしています。
この記事を読んでどのように感じるかは人それぞれで良いことなのですが、私たちが生きている今はお金に対する変革期を生きているということに間違いはないのです。